慶應義塾

トーマス・バレット 研究会

掲載日:2026年4月6日

執筆者プロフィール

  • トーマス・バレット

    法学部 政治学科専任講師(近世・近現代中国の歴史)

    トーマス・バレット

    法学部 政治学科専任講師(近世・近現代中国の歴史)

 内閣府が2023年に実施した「外交に関する世論調査」によると、中国に「親しみを感じない」または「どちらかというと親しみを感じない」と答えた人は86.7%にのぼりました。一衣帯水の隣国である中国に対し、多くの日本人が強い「負のイメージ」を抱いている現状が浮き彫りになっています。

 こうした空気の中で、中国を正面から学ぼうとする人は年々減少し、その結果、政治・メディア・教育・ビジネスなど、さまざまな分野で深刻な理解不足が生じています。

いま社会で強く求められているのは、感情やイメージに流されず、中国を多面的に理解できる「中国通」の存在です。本研究会は、そうした課題意識のもと、2025年4月から「歴史学のアプローチ」を用いて中国を深く学ぶ場としてスタートしました。

 一見すると、歴史学は現代中国の理解とは距離があるように思えるかもしれません。しかし、現代の中国社会や人々の価値観は、長い歴史の中で形づくられてきた文化や制度、記憶と密接につながっています。歴史を学ぶことは、過去を知るだけでなく、現在を読み解き、未来を考えるための基盤を築くことでもあります。

 さらに、歴史学で培われる思考力は、中国理解にとどまりません。フェイクニュースや切り抜き動画、生成AIによる情報があふれる現代において、情報の出所を問い、背景を考え、欠けている視点に気づく力は不可欠です。本研究会では、一次史料や専門書の読解、議論、課外活動を通じて、こうした力を身につけ、社会のさまざまな分野で活躍できる「深く考える力をもった人材」を育てていきます。

トーマス・バレット 研究会

(掲載:2026年4月)

政治学科 研究会紹介

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